2010年11月17日水曜日

ドーパミンの「強化学習サイクル」を回せ

さて、今年の残りも約1カ月半になりましたね。 いつのまにかネックウォーマーを着ながらの指導の時期になってきました。


さて、流行りに乗るのは好きではない私ですが、脳科学者の茂木健一氏が書いた”『龍馬脳』のススメ”とう本の中に私たちが考えているコーチングの基本が科学的に明快に書かれています。 


これを読んで私も今までのコーチングが間違っていなかったんだ。そしてこれからの指導者の常識になる時代が来ると感じています。 


その最先端の考え方をサッカーパーソナルコーチを通じて1人でも多くの子供たちに伝えて行きたいと考えております。


少し長くなってしまいますが、下記に抜粋して記載させていただきますので、時間に余裕のある時にでも是非お読みください。子育てのヒントにもなるかもしれません。







【成功力】 *当社の考え方と同じ

小さな成功体験を積み重ねて自信を大きく育てる
ドーパミンの「強化学習サイクル」を回せ

「アッ、やった!できた!」
こういうとき、脳の中では「ドーパミン」という物質が分泌されています。ドーパミンは「快感」を生み
出す物質です。これがたくさん放出されると、その人の脳に「快感」や「喜び」がもたらされます。
とにかく気持ちがいい。それでもう「もう1 回、やってみよう!」ということになるのです。
つまり、「やる気」が起こるわけです。

子供が逆上がりで、2 回、3 回と続けるたびに上達していき、「やった!」「またできた」という快感を呼ぶ行動がくせになって、その子はやる気満々で次々と新しい鉄棒の技にチャレンジしていくことでしょう。すると、だんだんチャレンジする幅が広がって、それに成功するたびにドーパミンが分泌される。


結果的に「新しい運動にチャレンジ→ドーパミンが分泌される」というパターンが出来上がり、その脳回路が成長していきます。運動の成功に関する回路が太くなっていくのです。

これは、その子供の運動に対する「成功力」が高まったということに他なりません。

「ドーパミンが出るパターン」をうまく使って、勉強や仕事をしていくことを推奨していて、これを「強化学習」と呼んでいます。この強化学習のサイクルが上手くまわり始めると、勉強にも仕事にしても、やる気が出てドンドン上達や進歩をしているようになります。

たとえば、タイムプレッシャーをかけて勉強をして、それをクリアすることで快感を得る。その経験を繰り返すことで、前向きに勉強に取り組むことができるようになるのです。

龍馬は「大きな理想のようなものを実現させることによって、ドーパミンが出る」というような回路をつくりあげ、それをどんどん大きくしていったのだろうと考えられます。

---中略---


ワクワク、ドキドキ、サプライズが脳の成功回路の原動力

ドーパミンの出方には2通りあります。ひとつめは「報酬の予期」です。過去に経験した喜びを思い出して、「また、同じようなことが起こるんじゃないか」と予期することによってドーパミンが出るパターン。期待が膨らんで「ワクワク」「ドキドキ」といった感情が生まれます。恋人に会う前のワクワク感や、ほめられたり、報酬をもらったりするのを予想したときの期待感も、基本的にこれと同じです。

また、予期していなかった大きな喜びが突然出てもドーパミンが出ます。

ドーパミンはその「喜び」に出会うまでの道のりが困難であるほど、よく出ます。つまり、そのパードルを越えるまでにたくさんのきつい練習をしてきた。“やっと越えられた”“やっと手に入れた!”というときほど、より分泌され、より大きな喜びへとつながる傾向が高いのです。

どんな小さい出来事であろうとも、それがその人の脳を変える大きな“きっかけ”になる場合があるのです。こういう「喜び」が龍馬の脳のドーパミン回路を刺激して、事を成したと考えられます。

このように、なにげない小さな「成功体験」が、人を大きく変えていく“芽”となることは少なくありません。そして、自分のそういう“芽”を大事に育み、大きく成長させていくことによって、ひとはより大きな舞台へと進んでいくための自信を得られるものなのです。

「小さな一歩」の積み重ねがステップアップにつながっていく
どんな高い技術を持った人でも、どんなに高い場所にのぼりつめた人でも、最初からすごかったわけではありません。誰でもはじまりは小さな一歩から。最初は小さなチャレンジからスタートし、たくさんの成功や失敗を重ねながら成長していった。

脳科学では、その人の力や才能の“芽”を伸ばすメソッドとして「小さな成功体験」ということを重視しています。

事の大小にかかわらず、どんな成功でも、脳にとってはまたとない大きな報酬です。

ですから、仕事でも勉強でも趣味でもスポーツでもいい。「まあ、がんばれば何とかなるかな」というくらいの目標を立てて、とにかくそれを達成させてみるのです。たとえ小さ進歩でも、その「成功」は脳にとっての喜びとなります。ドーパミンが分泌されて、「もっとこの喜びを味わいたい」という気持ちになるでしょう。そうしたら、また小さな目標を掲げ、それをクリアできるようにがんばってみればいいのです。そういうふうに「小さな成功体験」を積み重ねていくと、ドーパミンを分泌する回路がどんどん強化されていきます。

ただ、設定する目の前の目標は、あくまで小さく。

つねに目の前の「小さな成功」にスポットを当てながら、一段一段、着実にステップをのぼっていくのです。そうすれば、“気がついたらこんなに上のほうまで来ていた!”ということになるでしょう。

はじめは自信がなかった人も、一歩一歩ステップを登っていくにつれて、自信を積み上げていくことができるはずです。最初は“芽”のようだった頼りない自信が「小さな成功」を重ねるたびにドーパミンを“栄養”にしてすくすくと大きく成長し、枝葉を繁らせ、やがて大樹のようなゆるぎない自信へと育っていくわけです。

とにかく「小さな一歩」「小さな成功」の積み重ね。ステップアップには、結局これがいちばん大事ななんです。

こういうふうに、自分で自信を育てられる人は、自分で自分を大きくできる人。

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